取組情報

精神疾患を持つ親と共に暮らす子どもを対象とした心理教育テキスト「あなたのためになるかもしれない本」

取組課題

学童期・思春期から成人期に向けた保健対策 ▼

思春期保健対策 ▼

[その他]:精神疾患患者を親にもつ子どもへの支援

実施時期

2020/4/1 ~ 未定

通算期間

上記期間内での実施状況

参加人数や実施回数などは把握できない

取組の連携先

地方公共団体 教育機関 専門団体(学会や職能団体等) 民間団体

取組の対象

学童 思春期 保健師 医師 児童福祉主事 教員 養護教諭 その他

取組の概要

日本でもヤングケアラーが注目されるようになり、精神疾患を持つ親と共に生きる子どももその一部となり得ることが知られるようになった。しかし、そのような子どもへの支援は未だ確立されておらず、子どもたちは親の精神疾患や病状の悪化は自分のせいではないかと自責的に生きており、親の病気を隠して生活するために適切な支援が届いていないことも多い。精神疾患の親の元で育ち成人した「かつての子ども」を対象としたアンケート調査からは、子ども時代に親の精神疾患についての説明や、支援を受けていいという助言が欲しかったとの意見が報告されている。2021年に我々が行った精神疾患患者とその子どもへのアンケート調査でも、親のメンタル不調に気づき、家事などを代行しているにも関わらず、ほとんどの子どもが親の病名や病状に関する知識を持っていないことがわかった。
そこで、我々は精神疾患を持つ親と共に暮らす子どもを対象とした心理教育テキスを作成した。対象は精神疾患患者を親にもつ子ども全般であるが、テキストの難易度から小学校中学年以上〜高校生程度と考えている。小児科や精神科の診察室だけでなく、学校の保健室やカウンセリングルーム、行政のヤングケアラー相談窓口等で支援者が子どもと一緒にテキストを読むことを想定して作成した。また、支援者が読むことで、そのような子どもたちの抱える思いや、精神疾患を持つ親の思いを理解できる内容となっている。
子どもへ最も伝えたいメッセージは「お父さんやお母さんの病気はあなたのせいではないよ」であり、テキストの前半では母親が精神疾患である「なおちゃん」が登場する物語でその内容を伝えている。その後は単元を分け、支援に繋げられるようにエンパワーメントする内容を以下のようにまとめた。1)心の病気についてもっと知りたい(各精神疾患の症状、治療法、支援について)、2)心の病気ってどうやって治療するの?(精神科全般の治療法)、3)家の中でのあなたの役割はなんだろう(家庭内の役割分担とヤングケアラー)、4)心の病気はひみつにしないといけないの?(親の精神疾患について相談できる場所や職種の紹介)、5)こんなとき、みんなはどうしてる?(Q&A)、6)先輩からのメッセージ(精神疾患患者を親にもつ先輩からのアドバイス)、7)親からのメッセージ(精神疾患を治療中で子育て中の患者から子どもたちへの言葉)、8)病院の先生からのメッセージ(精神科医から子どもたちへの言葉)
現在、精神科・小児科学会での報告や講演活動を通して精神疾患を持つ親と暮らす子どもへの支援の必要性について啓発する一方でこの心理教育テキストを紹介し、全国へ広めているところである。今後は医療機関での使用実績からどのように説明すると子どもが理解しやすいかをまとめ、子どもの異変に1番に気づくことのできる学校現場でも使用しやすいようテキストを使用する支援者へ向けた手引きを作成する。また、低学年用のテキストも作成予定である。
本成果物は、科研費 20K13963 若手研究「精神疾患患者の子ども支援;主治医、患者、患者の子、3方向同時心理教育ツールの作成」の助成を受け作成した。
久留米大学は第9回健康寿命をのばそう!アワード(母子保健分野)に「子どもと親のためのヒーロー図鑑 ~心を支えてくれるヒーローたち~(親子の心のHEROES) :代表永光信一郎」で応募し、労働省子ども家庭局長賞 団体部門 優良賞を受賞した。と親のためのヒーロー図鑑 ~心を支えてくれるヒーローたち~(親子の心のHEROES) :代表永光信一郎」で応募し、労働省子ども家庭局長賞 団体部門 優良賞を受賞した。添付ファイル3枚、キャプションは不要。

取組についてのWEBサイトURL

福岡県

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最終更新日:2023-07-10 10:43:11