取組情報

周産期オンラインシステムを用いた妊娠期からの母子保健

取組課題

切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策 ▼

【妊娠期】母体の健康・精神的安定/胎児の成長 ▼

・母体の健康について

妊産婦死亡率

妊娠・出産について満足している者の割合

・妊娠期からのメンタルヘルスケア

産後1か月でEPDS9点以上の褥婦の割合

【妊娠期~乳幼児期】切れ目ない支援 ▼

・児の健康づくりについて

出産後1か月時の母乳育児の割合

関係機関との妊娠期からの連携強化 ▼

子どものかかりつけ医(医師・歯科医師など)を持つ親の割合

育てにくさを感じる親に寄り添う支援 ▼

育てにくさを感じる親への支援 ▼

ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間がある母親の割合

育てにくさを感じたときに対処できる親の割合

妊娠期からの児童虐待防止対策 ▼

妊娠期からの児童虐待防止対策 ▼

児童虐待による死亡数

乳幼児期に体罰や暴言、ネグレクト等によらない子育てをしている親の割合

児童虐待防止のための医療機関との連携 ▼

要保護児童対策地域協議会の実務者会議、若しくはケース検討会議に、産婦人科医療機関の関係職種(産婦人科医又は看護師や助産師)が参画している市区町村の割合

健康日本21(第2次)に含まれる母子保健に関するテーマ ▼

健康を支え、護るための社会環境の整備 ▼

地域のつながりの強化(居住地域でお互いに助け合っていると思う国民の割合の増加)

実施時期

2019/10/1 ~ 未定

通算期間

上記期間内での実施状況

参加人数や実施回数などは把握できない

取組の連携先

なし

取組の対象

妊産婦

取組の概要

【タイトル】周産期オンラインシステムを用いた妊娠期からの母子保健

【背景】
 コロナ禍により、妊娠・出産体制の変化を余儀なくされ、妊産婦の不安が増大した。
各医療機関が行ってきた母親学級が中止され、立ち合い分娩や面会の自粛等、家族に見守られながらの出産や育児にも大きな影響を及ぼし、また妊産婦死亡としての自殺の増加が問題となっている。
 これら妊産婦への具体的な支援策として、2019年10月より産後オンライン訪問の機会を提供している。2020年5月からはオンラインを用いた母親学級をはじめ、各種教室の再開に取り組んだ。
 また産後オンライン訪問と併せて2022年2月より産後2週間健診をオンラインで開始している。

【目標】
 感染対策を講じながらの教室では、妊娠中の胎児や家族との過ごし方・感染対策・当院で行っている和通分娩としてのソフロロジー式分娩への理解等について説明し、妊娠・出産・育児を安心し、充実して過ごすことを目標にしている。また出産後の母児が明るく健やかに過ごせるよう、切れ目ない支援対策を行うことを目標にしている。

【取り組み】
 各種教室を対面の教室からzoomを用いたオンライン教室に切り替え、感染の状況に応じて対面教室と併用して行った。母親学級前期教室と後期教室は、毎月4回ずつ開催している。
当初は対面教室の資料を写しながら説明したが、その後はPCやスマートフォンで見やすい画面をパワーポイントで作成し、取り入れた。また、2021年11月には、助産師同士のサポートチームで協力し、当院での和通分娩であるソフロロジー式分娩の実際の動画を撮影し、教室に用いた。
 産後はCLINICSによるオンライン診療システムを用いて、助産師をはじめとする専門スタッフによる産後オンライン訪問を退院から産後1か月健診までの期間に行った。自治体による産後2週間健診は、同意のあった地域において、同様のシステムを用い、問診の項目にエジンバラうつ病質問表を用いながら取り組んだ。その他、産後育児外来や、自治体による産後ケア事業におけるデイケア・宿泊型については、同時に対面で行った。



【評価】
 オンライン母親学級については2022年5月から7月までの3か月間に立ち合いの夫を含めて前期457名、後期538名の参加があった。オンライン教室当初は、対面と比較して伝わり方が少なく、実際の分娩も落ち着いて呼吸法を行う妊婦が減少した印象があったが、視覚資料や出産場面の動画を取り入れることにより、分娩そのものが変化し、イメージを持って出産に臨めることが多くなった。現在ほとんどの分娩時において、最後まで呼吸を止めていきむことなく、穏やかな呼吸を続けながら出産を迎えられている。
 産後オンライン訪問は2022年5月から7月の3か月間で54名が利用している。産後の体調の回復途中で、児を抱えて来院することを考えると、家にいながら育児不安を解決できる方法として有用であり、その上で乳房の手入れが必要な場合などは来院に繋げている。
 同様の期間における産後2週間オンライン健診は19名が利用した。院内の密を回避し、コロナ禍での外出や受診をためらう産婦においても有用であった。
      
【課題】
 オンライン教室においては、裾野を広げ、現在行っている胎教教室等でも視覚資料や動画を取り入れながら、妊娠期をより充実して過ごせる工夫を続けていきたい。
 産後オンライン訪問は、現在一人につき1回のみ無料で実施しているが、その後の経過観察が必要な場合には、引き続きオンライン診療として、保険診療または自費診療が可能な体制ができるのが望ましく、考慮の余地があると考えている。
 地域の母子保健センターとも連携をとり、産後ケア事業も同時に行っているが、今後は自治体との連携をより深め、地域の母児に優しい取り組みを続けていきたい。

取組についてのWEBサイトURL

https://www.koishi.or.jp/

最終更新日:2023-01-06 09:05:55