取組情報

親子相互交流療法PCITの実践と普及

取組課題

育てにくさを感じる親に寄り添う支援 ▼

育てにくさを感じる親への支援 ▼

ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間がある母親の割合

育てにくさを感じたときに対処できる親の割合

子どもの社会性の発達過程を知っている親の割合

発達障害を知っている国民の割合

発達障害をはじめとする育てにくさを感じる親への早期支援体制がある市区町村の割合
/市町村における発達障害をはじめとする育てにくさを感じる親への早期支援体制整備への支援をしている県型保健所の割合

障害児支援を主要な課題とする協議体を設置している市区町村数

子どもの心の問題への支援 ▼

小児人口に対する親子の心の問題に対応できる技術を持った小児科医の割合(小児人口10万対)

小児人口に対する児童精神科医師の割合(小児人口10万対)

児童心理治療施設の施設数

実施時期

2017/3/3 ~ 未定

通算期間

上記期間内での実施状況

これまで113親子に対しPCITや関連治療を実践しました。普及では専門家に対し初心者ワークショップを26回実施し、246人が受講。50人が認定セラピストに、38人が認定トレーナーの資格を取得しました。

取組の連携先

地方公共団体 教育機関 専門団体(学会や職能団体等) 民間団体 研究機関

取組の対象

乳児 幼児 学童 思春期 父親 母親 家族 関係者・関係機関 保健師 医師 児童福祉主事 その他

取組の概要

<取り組みの背景>
PCITは子どものこころや行動の問題や育児に悩む親(養育者)に対し、親子の相互交流を深め、その質を高めることによって回復に向かうよう働きかける遊戯療法や行動療法に基づいた心理療法で、強力な治療効果が実証されています。代表理事である加茂登志子は精神科医であり、1983年から東京女子医科大学に在籍し、1997年から東京都女性相談センターに非常勤嘱託医として勤務、2004年から2016年まで同大附属女性生涯健康センターに教授およびセンター長を務めました。重篤な経過を辿りがちなDV被害母子のメンタルヘルスに取り組む中でPCITと出会い、その素晴らしい臨床効果をより多くの悩める親子に伝えたいとの思いから、2016年に大学を辞し、2017年3月当センターを立ち上げました。

<目的>
当センターの活動の目的は、PCITの臨床実践とPCITセラピスト及びトレーナーの育成によるPCITの普及です。

<対象者と方法>
臨床の対象は、当センター及び連携施設である若松町こころとひふのクリニックを受診する問題行動のある子どもや子育てに困難のある養育者です。子どもの発達症(ASD,ADHD)の他、DVや虐待被害による愛着障害やトラウマ関連障害、不安症、知的障害など様々な背景から問題行動が生じる子どもに加え、子育て全般に悩む親(養育者)が対象となります。養育者もまた、DV被害者、子どもの頃の被虐待、周産期うつ病、軽度知的障害など様々な問題を抱えています。子どもへの虐待を止めたいとして受診する親もいます。インターネットでも対応できるため、遠方に住む親子にもPCITを実施することが可能です。クリニックと連携で保険診療の範囲内でも対応し、生活保護等経済的に余裕がない親子にもPCITを提供しています。センター開所後、これまで通算113家族が治療や相談に訪れました。知識と技術の一般普及に関しては2020年5月に「PCITから学ぶ子育て」(小学館)の上梓を契機とし、今後積極的に取り組んでいく予定です。

普及に関してはメンタルヘルスの専門家である、臨床心理士、発達臨床心理士、公認心理士、医師(小児科、児童精神科等)、看護師、ソーシャルワーカー等を中心に実施しています。全国規模で高い技術を持ったセラピストやトレーナーが増えれば、PCITの治療効果を享受できる親子が確実に増えます。治療技術の習得はPCITを創始したフロリダ大学Eyberg教授が組織するPCIT Internationalの認定システムに基づいています。初心者ワークショップ(WS)への参加から始まるこの教育システムには、当センター発足以降246人が受講しており、受講者は都道府県や区市町村の児童相談所、療育センター、大学医学部、大学臨床心理学科、個人のクリニック等で活躍しています。専門家の連携を深め悩める親子により良く貢献するために、学術交流組織であるPCIT-Japanと連携し、年次研究会や研鑽に向けた特別講演の実施に取り組んでいます。また、当センター実施以外にも、東京都や北海道の児相やさいたま市での機関内トレーナーによるWSにも積極的に協力しています。東京都児童相談センター、幾つかの東京都特別区児相、さいたま市に対し、月数回の定期的なコンサルテーション活動を行っています。

<成果等>
1) 日本におけるPCITの治療効果検証に関する論文が査読の段階に入っています。全国20施設が協力し、全197親子の結果を検討しています。
2) 受講者のいる児相では、一時保護となった子どもの家庭復帰、DV母子の子育て困難、里親子の関係不調などに積極的にPCITを取り入れています。
3) 確実な技術を持った認定セラピスト50人、認定機関内トレーナー38人をこれまで育てました。
4) 当センターで指導したトレーナーにより、2大学でPCITセラピスト育成を含んだ修士コースが立ち上がっています。
5) 公的研究費や研究協力費を受けた経験があります。(JSTによるRISTEXやCRESTなど)
6) 本取り組みの過去の応募の経験はありません。過去の本アワード受賞歴もありません。

取組についてのWEBサイトURL

https://pcittc-japan.com/

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最終更新日:2022-08-19 11:22:43