取組情報

「おやこ保健室」の開催及びこども貧血共同研究の実施

取組課題

切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策 ▼

【妊娠期~乳幼児期】切れ目ない支援 ▼

・児の健康づくりについて

朝食を欠食する子どもの割合

その他

[その他]:貧血の子どもの割合

実施時期

2016/6/11 ~ 未定

通算期間

上記期間内での実施状況

文京区主催おやこセミナー(300名)等の自治体主催セミナーやミキハウス主催「プレママ・プレパパ&ベビーフェスタ」、中日新聞主催「HAPPY MAMA FESTA」への出展等、全国でおやこ保健室を開催。

取組の連携先

地方公共団体 民間団体 研究機関 他の企業

取組の対象

新生児 乳児 幼児 学童 妊産婦 父親 母親 家族

取組の概要

〇背景
近年、日本では母親となる世代(20~40代)の痩せ体形の増加、カロリー摂取量の大幅な不足、貯蔵鉄不足である「隠れ貧血」が約1,000万人、血中ビタミンD濃度の不足等、次世代への影響が危ぶまれる状況となっています。実際に、妊娠中の母親の摂取カロリー不足、栄養素の不足により二分脊椎症やくる病が増加しており、鉄欠乏の女性は3人に1人と多くなっています。妊娠中に貧血の状態であると、早産、低出生体重児、分娩時の出血多量リスク、周産期死亡リスクが高くなり、産後1ヶ月の産褥期に貧血があると、産後うつリスクが高まることが明らかになっています。お腹の中の赤ちゃんについても、妊娠後期に母親から鉄分をもらうため、早産や母親が貧血の場合は十分鉄分をもらうことができず、生まれたときから貧血のリスクが高くなります。出生後も、母親からもらった鉄分でやりくりできるのは生後6ヶ月間ほどで、それ以降、赤ちゃんの貧血のリスクは高まります(画像1)。出生体重や出生週が問題なくとも、その後の離乳食の食べ具合や鉄分の量により、貧血リスクは高まり続けてしまいます。乳幼児~学童期の貧血及び鉄欠乏は、運動機能・認知機能・精神活動といった神経系の発育に長期にわたり影響を及ぼすことが明らかになっており、子どもの貧血の実態の把握及び対策が急務となっています。

〇目的、対象者、方法、成果
私たちは、これまで10年間、母親と子どもの健康に関するさまざまな課題解決に取り組んできました。その一つとして、妊娠中から産後にかけての母親と子どもの健やかな発育発達、ボディケアをサポートし、母親のヘルスリテラシーの向上につながる機会を提供することを目的とした「おやこ保健室」を全国にて開催し、これまでに1500名以上の方にお越しいただきました。中日新聞主催の「HAPPY MAMA FESTA」への出展や自治体主催セミナーのほか、直近では2021年7月に松屋銀座にて開催し、身長・体重・足のサイズの測定、家族で受けられるヘモグロビン測定、ラブテリカウンセラーによる「ごはんカウンセリング」、乳幼児睡眠コンサルタントによる「ねんねカウンセリング」を実施しました(画像2)。ヘモグロビン測定は、通常は採血が必要となり赤ちゃんへの採血はハードルがありますが、最新の採血不要のヘモグロビン測定器を活用することにより、負担なく多くの方にヘモグロビン測定をしていただくことが可能となりました(画像3)。2019年には「おやこ保健室」にて2歳~13歳までの子どもを対象としたヘモグロビン測定調査を行い、約4割もの子どもが貧血のリスクが高くなっていることが分かり、「こどもすくよか白書」として結果をまとめ、発表しました。こうした母子における貧血の現状と健康面、発達発育面に及ぼす影響等、我が国における母子の貧血の実態を明らかにするため、2020年より聖路加国際大学と共同で「こども貧血共同研究」を開始し、現在調査を進めているところです。1歳前後に「離乳期貧血」が起こりやすくなることから、1歳6か月までの乳児を対象として、ヘモグロビン測定及び食事内容の調査を行っています。
また、新型コロナウイルスの流行により衛生管理が徹底されましたが、0~3歳は腸内細菌叢が育まれる黄金期であり、子どものために母親が菌に対する正しい知識を持つことが必要であることから、菌リテラシーや排便環境等に関する調査を実施し、2021年版「こどもすくよか白書」として発表すべく結果をとりまとめているところです。

〇今後の展開
私たちは、測って、知って、学ぶ機会を全国に広げることが重要だと考えています。2021年9~10月には、ヘモグロビン測定会を渋谷・横浜・大阪にて、また、「こども貧血共同研究」としてヘモグロビン測定及び食事調査等を池袋・大阪にて実施予定です。「おやこ保健室」については、行政や商業施設等との協業により店舗化し、全国展開すべく動いております。また、ヘモグロビン測定については、発達の遅れを取り戻せる可能性がある、乳幼児期のできるだけ早い時期に介入を行うことが重要であることから、ゆくゆくは自治体の乳幼児健診への導入、または保育園や幼稚園での園児貧血測定の実現を目指します。そのために必要なエビデンスの創出のための「こども貧血共同研究」は、2022年の論文化を目指して進めています。全国で母子が貧血チェックを受けられる社会にしていけるよう今後も取り組んでまいります。

〇過去の応募歴
なし

取組についてのWEBサイトURL

https://www.luvtelli.com/

コラボ事業者募集中

コラボ実績あり

最終更新日:2022-08-13 14:32:18