取組情報

飛騨市産前産後ママサポプロジェクト

取組課題

切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策 ▼

【妊娠期】母体の健康・精神的安定/胎児の成長 ▼

・妊娠期からのメンタルヘルスケア

妊娠届出時にアンケートを実施する等して、妊婦の身体的・精神的・社会的状況について把握している市区町村の割合

妊娠中の保健指導(母親学級や両親学級を含む)において、産後のメンタルヘルスについて、妊婦とその家族に伝える機会を設けている市区町村の割合

産後1か月でEPDS9点以上を示した人へのフォロー体制がある市区町村の割合

対象家庭全てに対し、乳児家庭全戸訪問事業を実施している市区町村の割合

子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり ▼

育児不安の親のグループ活動支援 ▼

育児不安の親のグループ活動を支援する体制がある市区町村の割合

育てにくさを感じる親に寄り添う支援 ▼

育てにくさを感じる親への支援 ▼

ゆったりとした気分で子どもと過ごせる時間がある母親の割合

育てにくさを感じたときに対処できる親の割合

健康日本21(第2次)に含まれる母子保健に関するテーマ ▼

健康を支え、護るための社会環境の整備 ▼

地域のつながりの強化(居住地域でお互いに助け合っていると思う国民の割合の増加)

取組の対象

新生児 乳児 妊産婦 母親

取組の背景

当市では、母子手帳交付時の全妊婦との面接に加え、妊娠後期の全妊婦に対する訪問や面接、赤ちゃん訪問の100%実施、乳幼児健診の他に市独自の相談事業を実施するなど、妊娠期からの切れ目のない支援を目指し、母子保健事業を展開してきた。1歳6か月児健診、3歳児健診の受診率は100%を維持している。
近年、産後にメンタルヘルスの不調や育児不安を抱える方、産後のサポートが得られない方が増加傾向にあり、既存の母子保健事業では必要な支援を十分に提供できないケースも増加してきた。このような状況に加え、市内に出産可能な医療機関がないことから、市内の母乳育児相談を実施する開業助産師らと会議を重ね、平成30年9月にアウトリーチ型の産後ケアを5事業者に委託、産後ケアにかかる費用の助成を開始した。
アウトリーチ型の産後ケアを実施する中で、産後ケア利用終了後から市の母子保健事業が開始する3か月までの間に母に寄り添い、サポートできる事業や機関がないという新たな課題が見つかった。
このことから、愛着形成に重要な時期に手厚い支援を行うことを目的に、デイサービス型の産前産後サポート事業として「にこにこルーム まるん」を開設した。「にこにこルーム まるん」「産後ケア」に加え、新たに「子育て支援ヘルパー」「乳児託児」を実施し、多職種が連携した「飛騨市産前産後ママサポプロジェクト」を開始した。

提案者

母子保健担当者 職員・社員 その他

取組のねらい・目標

限られた地域資源を活用し、行政と地域が連携して妊娠期からの切れ目のない支援が提供できる体制づくり行う。 

住民が健康のために行動できる機会や環境を提供する

数値目標なし

取組内容

令和元年6月より「にこにこルーム まるん」の名称で、保健センターと同一の建物内に、妊婦や乳幼児を持つ母親が集まり交流できる場を週に2回開催した。産後ケアを委託している助産師がスタッフとして常駐し、寄り添い型の支援を行っている。助産師とは随時情報共有を行うことで、さらなるサポートが必要と考えられる場合にはアウトリーチ型の産後ケアにつなぐなど、連携して母親のサポートにあたっている。また、助産師と母子担当保健師、担当課課長および事務職とともに月に1回会議を開催し、支援の仕組みを検討している。
また、これまで当市には産前産後に家事サポートを実施する機関がなく、家族等から家事支援を受けられない母親へのサポートが行えなかった。この課題を解決するため、もともと高齢者に家事支援を行っていたシルバー人材センターに産前産後の家事支援サービスを委託した。 さらに、これまで人数確保が困難であることや、スタッフから未定頸の乳児を預かるのが不安という意見があったことから、ファミリーサポートセンターによる託児は6か月以上の児に限られていた。乳児についての専門的知識を持つ助産師がサポートメンバーに加わることで、生後1か月からの児の託児を可能にした。
このように、これまであった地域の人材やサービスを掘り起こし、体制を整えることで、妊娠中から産後の母子に対しより細やかなサービスを提供することができるようになった。

実施時期

2019/6/18 ~ 未定

通算期間

上記期間内での実施状況

にこにこルーム まるん (実施回数67回) 1回平均参加 9.7組 妊婦参加数 新規 29人 延べ 39人 産婦参加数 新規 72人 延べ 529人

取組内容(補足選択)

相談機能の強化 ネットワークの推進

協力機関

子育て支援センター その他

住民参画状況

なし

従事者内訳

保健師 助産師 事務職員 登録会員

補助金・助成金

取組の評価

令和元年度の産後ケア利用状況は、宿泊型1件、アウトリーチ型8件であった。また、子育て支援ヘルパーの利用は6件あり、うち5件はアウトリーチ型との併用であった。乳児託児2件のうち1件は、アウトリーチ型、子育て支援ヘルパーと併用するなど、個々の状況に合わせ、産後ケア、子育て支援ヘルパー、乳児託児を組み合わせて利用できるようにしており、産後の母親の心身の回復につながっていると考えられる。また産後ケア終了後は、「にこにこルーム まるん」の利用につなげることで、継続した支援ができる体制をとっている。 
「にこにこルーム まるん」には、毎回多くの親子の参加があり、「家で2人きりで過ごす時間が多く、息苦しいことがあったので、まるんへ来て心が軽くなった」「妊娠中あまり外出せず内向的になっていたので、気分転換になった。妊娠中から出産や産後のことが聞けて良かった」等の意見をいただいている。妊婦が出産後に再び参加するなど、産前産後の切れ目のない支援にもつながっている。保健師のマンパワーが限られる中、地域で活動する助産師が母親に寄り添い、支援を行うことで、不安感や孤立感の解消の一助となっていると思われる。
当市では平成29年に庁内の機構改革を行い、子育て世代包括支援センターの設置を目的に、同一の施設内に保健センター、子育て支援センター、発達支援センター、子どものこころクリニック(児童精神科国保診療所)などの子育てに関する部署をそろえた。「にこにこルーム まるん」を子育て支援センターに隣接して設置したことにより、妊婦から保育園入園前の親子に対し、関係各課のみでなく、地域の人材と連携した支援が可能となり、切れ目のない子育て支援や虐待予防につながると考えられる。

今後も継続する

今後の課題

今後、近年頻発する災害発生時に備え、助産師、保健師、栄養士、保育士等の妊産婦および乳幼児に対して専門的知識を持つ防災士を「飛騨市赤ちゃん防災リーダー」として認定し、災害発生時にも「地域全体で母子をサポート」できる体制整備を行っていく。

取組についてのWEBサイトURL

最終更新日:2024-10-15 12:52:16